横好きオヤジの見聞録

何をやっても二流か三流で一流にはなれない下手の横好きなオヤジの日記

日常はデンジャラス

ようやく日常が帰ってきて、今日は久々のお休み。

少し早めの節分寒波で、冷え込みようは最大級。

昨夜からの積雪は少ないけどサラッサラァ~のサラパウダー。

我が家の横の畑で、1メートルちょっとって感じ。

8時半頃に準備をして久しぶりのオクカンへGO!

全国的な大雪で、ここも久しぶりに3線リフト下の雪取りをしていた。

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1本目、いつものように期待して旧4線。

残念ながら、昨夜からの積雪が少なくて、昨日のトラックがリセットされてない。

特に、スノーボードで斜めに切ってるトラックが多くて面白さを感じられなかった。

で、2本目は、旧4線の上の森の中を滑ってからコースに戻ろうと、弾丸コースの

上の林道を先に進んだが、それは悲劇の始まりだった。

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そこには手付かずの新雪深雪ご親切。

そして、しばらく滑って気がついた、「こりゃ、ルートを間違えとる・・・」と。

スキー場に流れる音楽も、リフトの音も全く聞こえない無音の世界。

あるのは、険しい斜面と無数の雑木、そしてウサギの足跡。

仕方なしに、横に横に移動しながらコースに戻ることを考えた。

しっかし、いくら右に右に進んでもコースに戻れない。

登るには斜度がありすぎるし、つぼ足で登ろうかと、試しにスキーを脱いだら

とんでもない深さで身動き不可能。

スキーを履き直すのに、かなり苦労したほど。

それが、コースを間違えたと気が付いてから1時間ほど。

まだ、この時は、コースに戻ったら、真っ先にロッジに入って熱々のラーメンを

食べようと思っていた。

その後も水平移動や登りを続けてもコースに戻れる気配もなく気が付いた。

ん~、これって世間じゃ遭難と呼ぶんじゃないかい???

ここで救助を要請したら、アレがこうなって、コレがああなって・・・。

アカン、アカン、絶対にセルフレスキューせにゃアカン!

試しに、頼りのエクスペリア君を見ると通信圏外。

こりゃ、ヘルプも無理。

まだ、この時も、最悪はオクカンじゃなく旧アルペンローズに降りたら良いかと

思っていた。

水平移動をする斜面は、無数の雑木で思うように前へ進めない。

何度も雑木がない場所もあったけど、そこは太古から繰り返す雪崩で、

木が押し流されて生えてないだけ。

細心の注意を払って、気合い一発でトラバース。

この辺りから、人生終了の予感が・・・。

遥か左下に沢が見えた時、遠くに建物の屋根が見えた。

あそこまで行けば、何とかなると思った。

それを目指して進むが、左下数十メートルの沢に滑落したら人生終了の状況。

その後も、同じようなことを繰り返しながら、やっと人工物まで辿り着いた。

それは堰堤。

堰堤から先の右側は、ただの崖で進むのは無理。

左側には林道があったんで、そっちに行くことにした。

ただ、3mくらい積もった堰堤の上を渡ったら、落ちて人生終了。

で、沢にかかった雪のブリッジを渡ることにして、ウサギの足跡のある

丈夫そうなブリッジを選んで気合い一発で渡った。

落ちたら、こりゃまた人生終了。

そして、林道を進むと建物が見えた。

やっと、生還を実感した。

それでも、まだ旧アルペンローズに降りたと思っていた。

そして、目の前を駆けるシカの先に見えた風景は稲葉の集落だった。

振り返れば石切り場。

あの堰堤は、一つ滝の少し下の堰堤だったのである・・・。

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何とか、稲葉の集落に辿り着いたものの、オクカンの駐車場は遥か遠く。

スキーを担いで、トボトボと歩く。

蘇武トンネル近くで、ドクターカーが走ってきた。

まさか、こんなところを歩いているとは思われないだろうと思っていたら、

笑顔で手を振られてしまった。

ようやく、駐車場のハイラックス君のところに着いたのは、午後1時56分。

2本目のスタートが9時半頃だったから4時間以上、休むことなく彷徨っていた。

足は、靴にかまれて出来た水脹れが潰れて痛くてボロボロ。

足も腕も痙攣するほどの筋肉疲労。

喉の渇きは、雪を口に含んで溶かして飲んで凌いだ。

幸いだったのは、時間が早かったこと。

午後からだったら、雪洞を掘って夜を明かさなけりゃなかった。

ただ、水分も食料はもちろん、何の装備も持ってなかったんで、

死んでたかもねぇ・・・。

大体だけど、こんなルートだった。

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絶対に発見なんかされるルートじゃないし、ヘルプをしたとしても、

レスキューに行ける場所じゃないってのは、経験的に想像できる。

今夜は、剣道の稽古の日だけど、とてもじゃないけど無理なんで、

休ませてもらうことにした。

体力を戻して、次は気をつけてルート選びをせんなんから・・・。

そう、デンジャラスな日常は素晴らしい!

あぁ、生きてて良かった。