子供の頃、まだ小学生だったろうか・・・。
「チップス先生さようなら」と言う映画を見た。
ただただ泣けた。
その後、少ないお小遣いで文庫本を買って読んだ。
捨ててはいないので、探せば書棚にあるはずである。
そして、その時「先生」は勉強を教えるだけじゃなく、生き方と死に方を
教えてくれる人なんだと感じたのを今も覚えている。
今日の朝刊のお悔やみ欄に見覚えのある名前があった。
まさかと思って旧知の医師に問うてみた。
案の定、H先生だった。
麻酔科医師であり、自身の診療所での診察や治療の傍ら、地域医療にも
ご尽力されていた。
もう二十数年前になるけど、世間知らずの私が「当地こそドクターヘリや
ドクターカーが必要」と言ったところ、恐ろしいほどの早さとコネクションを使って
ドクターヘリ運用の動きが始まり、今となってはコウノトリが飛ぶように
ドクターヘリが飛びドクターカーが走る、安心して暮らせる地になった。
もちろん私の言葉だけじゃなく、他の共に活動していた人達の声もあった。
ただ、世間知らずの私の声を拾って下さったのは間違いなくH先生。
そんなH先生が70歳で亡くなった。
そう言えば、ここんところ連絡もしていなかった。
先生のやりたかったことを、私にできることがないかと聞いておけば良かった。
仙人になりたかったH先生。
H先生さようなら。