横好きオヤジの見聞録

何をやっても二流か三流で一流にはなれない下手の横好きなオヤジの日記

生きることを諦めた木々

昼から時間が出来たんでフィールド調査を兼ねて山歩き。

ま、山歩きと言っても、ハイキングコースを歩くってなもんじゃなく、獣と同じ様に

山を歩いて山菜を採り。

もちろん、フィールド調査ってなお洒落なもんじゃなく、ターゲットの山菜を

採るための植生調査。

で、タラの木もコシアブラの木も、若木がない。

タラやコシアブラだけじゃなく、多くの木がそうなのである。

5~6年前は、1mくらいの若木が多くあって、それが今は大きく成長している。

ところが、今は大きくなったものや古木しかない。

原因はシカの食害。

何年か前に家の裏山の畑にタラの苗木を植えてみたんだけど、数日で食われた。

仕方ないんで、植え直した去年は策で囲んで守ってある。

つまり、シカはタラの芽が大好物なのである。

植物は枝の先に芽が一つでも残ってたら、全力で栄養を届けようと頑張るんだけど、

芽が無くなると生きることを諦めて枯れてしまう。

だから、タラにしてもコシアブラにしても、2番芽とか採る対象以外の小さいのは

残しておかなきゃなんない。

だけど、シカはそんなこと分からない。

アフリカの大地を移動するバッタの様に食い尽くす。

例えばタラの木だが、根切れで芽を出し育った若木、種が目を出し育った若木、

それらが春になり芽を出したところでシカが食う。

2番芽とかお構いなしに食う。

すると、元気だった若木も生きることを諦めて枯れてしまう。

だから、若木がないのである。

今、大きくなってる木や古木が枯れたら、残念だが私のフィールではタラの木は

絶滅するだろう。

これは他の木も同じで、大木や古木が枯れたら山は禿山になる。

ただ、テツカエデは食べない様で、10cmくらいの小さな若木から3mくらいのものまで

生えてて多くなっている。

そしてシダ植物は食べないようだ。

なので、コゴミやワラビは食べられずにある。

たまに、テツカエデが扱いて食べられた痕があるが、あれはクマだ・・・多分。

でも、他に食べるのもが無くなったら、テツカエデもシダ植物も食うように

なるんだろうなぁ~。

まぁ、ある意味、それが自然の摂理かもしれない。

完全な禿山になって、シカが移動するか飢え死にしていなくなって山が再生するのが

自然の流れかも・・・。

でも、人間としては、とても困るのよねぇ~ん!

そんなこんなを観察しながら、採りながら山を歩いた3時間。

ちなみに、標高は500mくらいまでだったけど、かなりハードな登山なのよねぇ~。

で、今日の収穫のタラの芽とワラビ。

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