横好きオヤジの見聞録

何をやっても二流か三流で一流にはなれない下手の横好きなオヤジの日記

今日の憂鬱と小さな喜び

今日は、八鹿で開催された剣道大会に小学生の引率と審判員で

参加した。

今日は個人戦と団体戦があったんだけど、うちの団体は家庭の

事情やら何やらで出場困難な子どもが出来ちゃって、団体戦に

出られなくなってしまい、2人だけが個人戦に出た。

残念ながら、私は他のコートで審判をしていて、4年生のM君の

試合を見てやれなかった。

負けてはしまったが、良い試合内容だったらしい。

6年生の女の子も、惜しいところがあったものの、残念ながら

負けてしまった。

M君は試合前に初めての一勝をしたいと言っていた。

今日は、ちょっとだけ相手が強くて負けてしまったけど、

悲しまなくても良いのだよ。

胸を借りて学ぶことも日本の美学なのだから。

そりゃ、勝ちたかろうし、勝ちたいと思って当然だし、勝った方が

嬉しいし、私たちも勝たせてやりたいし勝ってほしい。

でもね、勝つことだけが全てじゃない。

今は分からなくても、君が剣道を続けてくれたら、数十年先には

大きいかもしれないし小さいかもしれないけど、何かしらの

喜びを見つけられるから。

ま、君は間違いなく勝てるようになる。

その真面目さがあれば、間違いなく強くなる。

技術的にも人間的にも、間違いなく強くなる。

君らが、この記事を読んでくれることはないかもしれないけど、

今日の大会で得た私の小さな喜びを一つ紹介。

今日の大会の審判長は、私が高校生だった時、3年間も担任で

剣道部の顧問で体育の先生だったY先生。

それはそれは恐ろしかった。

Y先生は、私が高校生になった時は31歳。

顔は鬼瓦と言うか、ナマハゲと言うか、超強面だった。

怖いのは顔だけじゃなく、いつ殺されるんだろうと思いながら

3年間を過ごした。

当時は目を見て話すことなんか出来ないし、剣道の稽古中は

私を虐めているんじゃないかと思うくらい扱かれた。

なんせ、Y先生も部員と一緒に稽古をするんだけど、恐ろしいほどの

体力があったから、稽古を終えた私はヘロヘロ。

行軍血色素尿症は日常的で、稽古後の初尿はコカコーラみたい。

つまり、血のションベンが毎日。

だから、慢性的な貧血状態だったんだと思う。

その頃、トイレとか風呂とかで、しょっちゅう倒れていた。

目の前が銀色になって、お花畑が見えて、意識が遠のいて

気が付いたら倒れていた・・・。

でも、Y先生との出会いは私にとって神様からの贈り物だった。

だって、私の行っていた高校は問題校と言われる学校。

私がY先生に出会わなかったら、剣道を続けることはなかったし、

卒業もしてなかったかもしれない、犯罪に手を染めて社会生活を

出来なかったかもしれない。

このブログは世界中の人が見ることが出来るんで書くことが

出来ないけど、中学生の頃から道交法や県条例を犯しまくり、

とてもじゃないけど良い子チャンじゃなかった。

そんな私が、人のためになれる仕事をしようとしたり、時間と

お金を犠牲にして剣道の指導をしたり、時間を犠牲にして

無報酬で審判として参加して大会開催に協力したりと、

こんな人間になれたのはY先生のお陰である。

で、今日もY先生と挨拶をして、自分のコートの審判をしていた。

そんな時、高校の同級生K君が会場に来ているのを見つけた。

話をしたら、彼の子どもが4年生で出場してるらしい。

そう言えば、個人戦の主審をしてたときに、彼の苗字と

同じ子の審判をしたなぁ~。

勝ったか負けたか忘れたけど。

スマン、誰が勝ったか負けたかまで覚えていないのだよ・・・。

ちなみに、私は道交法違反や条例違反をする一般ピープル

だったのだけれど、K君は立派な犯罪者だった。

今、彼が社会人として生きていることも奇跡なのかもしれない。

あ、仲は良かったが、私は彼のような犯罪者でないからねぇ~。

んで、Y先生のところに行って、K君が来ていることを伝えてみた。

する、なんとY先生はK君のことを覚えていて、連れて行ってくれと

言われて案内をした。

剣道部じゃなく帰宅部で、ただの担任だっただけなのに。

やっぱり、先生って凄いなと感慨に耽ってしまった。

そして、数分だったけど、Y先生は嬉しそうな顔をして話をしていた。

Y先生も、ここ何年かは昔のような凄みのある顔じゃなくなって

きてたけど、今年で定年退職となってから更に穏やか。

やっと人間らしくなってきたか?

私は今でも前に立つとションベンがチビリそうだが・・・。

で、今日の喜びは、私が剣道を続けていたからこそ、Y先生と

楽しく?話も出来ことと、K君とY先生を会わせる役を出来たこと。

今日、私がいなかったら、Y先生とK君は会うことがなかったはず。

K君ちでは、Y先生に会ったこと、私に会ったこと、それらが

話題になっているはずである。

Y先生も、今夜はK君のこと、私のことを、それらを思い出して

くれているはずである。

これが、私の今日の小さな喜び・・・。

私は中学校に入学して剣道を始めた。

剣道が好きだったわけじゃない。

たまたま、テレビドラマの「オレは男だ!」で剣道が面白そうに

思えたから。

実は、今でも面白くてやっているのか分からない。

面白いのは、下手なんだけどもスキーやカイトボード等の方が

遥かに面白いと思っている。

冬の冷たい体育館の床を裸足になって稽古をしたり、

夏の暑い時に臭くて重い防具を身に纏い稽古をするのは、

辛いだけで楽しいことなんてない。

ましてや、中学高校社会人と勝った数より負けた数の方が

桁外れに多い。

それでも、続けているのだから、どこか好きなところがあるのかも

しれない。

実は、昨日なんだけど、市内の某高校の創立100周年で

記念講演で陸上選手でオリンピック金メダリストの有森裕子さんが

講演をされていたんで、卒業生でもないんだけど、潜り込んで

講演を聞いてきた。

さすが一流の人の話は素晴らしい!

彼女は中学校はバスケット部で、大した結果も残さなかったらしい。

志望公立高校に不合格になって、私立高校に入学して、陸上部に

入ったものの在学中は大きな大会には補欠ばっかりで、

活躍する選手ではなかったらしい。

でも、彼女が栄光を手にしたのはコツコツと続けていたからだろう。

それは彼女自身も言っていた。

だから、今日は勝てなくても、次も勝てなくても、君たちの

数十年先には喜びが待っているのだよ。

あ、でもね、私が100歳まで今の体力を維持して、現役で剣道を

続けたら、同年代で負けない強者になれる。

100歳まで生きられたら、同年代はこの世にいない。

続けていれば、生きていれば、下手でもメダリストは夢じゃない!

そして、今日の憂鬱は・・・。

やっぱり、審判をした日は憂鬱になる。

今日の一旗、あれで良かったのか?

出来ることなら、審判はしたくないなぁ~。