今年の春は遅かった。
いつもの年より、沢山の雪が降ったから。
野山は深い深い雪に覆いつくされた。
もちろん、秋にはたわわの穂をつける稲が育つ田にも
深い深い雪が積もった。
しかし、そんな雪の中で名も無き雑草と呼ばれる草達は
春の訪れを待っていた。
雪解けとともに田は緑に覆われた。
田が乾き、名も無き草が小さな花をつけようとしたとき、
青のヰセキは怪獣のごとく牙を回転させ田を走る。
無残にも緑の田は荒地と化す。
これも秋の収穫のため草達よ許せ・・・。
荒地と化した田には水が導かれ、いつしか蛙の楽園。
そして今日、怪獣の爪はそれを引っ掻き回した。
あと数日で、この荒地に一本、また一本と稲の苗が植えられる。
太陽の光を受け、水を吸い込み、風に抱かれて、
秋には金色の絨毯になり刈り取られ、白米となって
胃を満たす。
自然の恵みに感謝感謝。
そして役目を終えた田は、来年の春まで眠りに就く。
あ~、終わった終わった!
我が家の仕事はここまで。
田植えも稲刈りも乾燥脱穀も専門家さんにやってもらっている。
自前で田植機やコンバインを持ったら、お金がかかって
しゃ~ないのである。
俗に言う、農機械貧乏になってしまう。